インフルエンサーDJや経営者DJ

近年増加しているインフルエンサーDJや経営者DJについて、著者の意見を述べます。

インフルエンサーや経営者など、もともと別の分野で活動してきた人がDJをすることがあります。

すでに知名度や発信力、ネットワーク、資金などを持った状態からDJを始める人たちです。

こうしたDJについては、「知名度で出演しているだけ」「本業のDJではない」と否定的に見られることもあります。

Opinion(著者の意見)

音楽好きなら、みんなDJをやった方がいい

そもそも僕は、音楽が好きな人なら、みんな一度はDJをやってみた方がいいと思っています。

DJをすると、それまで何となく聴いていた曲のフレーズ、構成、展開、音の重なりを意識するようになります。

なぜここで盛り上がるのか。
どこで曲の展開が変わるのか。
なぜこの2曲は自然につながるのか。

そんなことを考えるようになり、音楽の聴こえ方そのものが変わります。

だから、インフルエンサーでも経営者でも芸能人でも、DJを始めること自体は大歓迎です。

むしろ、もっと多くの人にやってほしいと思っています。

彼らには、最初から強力な武器がある

さらに、インフルエンサーや経営者には、DJ一本で活動してきた人が必ずしも持っていない武器があります。

インフルエンサーには影響力があります。

自分が好きな曲やDJを紹介するだけで、それまでダンスミュージックに興味がなかった多くの人に、音楽を届けられるかもしれません。

経営者には、人によりますが、資金、ネットワーク、企画力、物事を実現する力があります。

自分でパーティーを企画することもできる。新しいイベントに投資することもできる。音楽とは別の世界にいる人たちをクラブやフェスに連れてくることもできます。

DJシーン全体で考えれば、これらはかなり強力な武器です。

有名であることと、いいDJであることは別

一方で、フォロワーが多いから、いいDJであるとは限りません。

お金や人脈があるから、良い選曲ができるわけでもありません。

DJを始めたばかりなら、音楽の知識、選曲、構成、ミックス、フロアを見る力など、DJとしての経験が足りないのは当然です。

問題なのは、インフルエンサーや経営者がDJをすることではありません。

もともと持っている影響力や肩書きだけで満足して、DJそのものに向き合わないことです。

逆に言えば、そこに音楽への理解とDJとしての実力まで加われば、ものすごく強い。

普通なら長い時間をかけて獲得しなければならない「人に知ってもらう力」を、最初から持っていることがあるからです。

影響力 × 選曲
資金 × 音楽への理解
ネットワーク × DJとしての実力

すでに持っている武器を捨てて「普通のDJ」になる必要はありません。

その武器を、音楽に掛け合わせればいい。

John Summitも、もともとは会計士だった

John Summitも、最初から音楽だけで生きていたわけではありません。

大学院で会計学を学び、CPA(米国公認会計士)となり、会計の仕事をしながら音楽制作とDJを続けていました。

ただ、彼の例で重要なのは「元会社員でもDJになれる」ということだけではありません。

彼は制作そのものに大量の時間を投入しています。

そのうえで、音楽以外の部分もかなり意識的です。

パンデミック中にはInstagram Liveを繰り返してファンとのコミュニティを作り、自分のキャラクターを新曲のプロモーションにもつなげました。

その後は自身のレーベルを立ち上げ、イベントやブランドへと展開しています。

本人も、自分自身を「John Summitという存在のCEO」のように考えている趣旨の発言をしています。

僕には、彼の飛躍はかなり戦略的に見えます。

もちろん、マーケティングだけでJohn Summitになったわけではありません。

大前提として、曲を作り続け、DJを磨き、音楽そのもので結果を出している。

そのうえで、

良い音楽を作ることと、その音楽をどう広げるかの両方に向き合っている。

ここが重要だと思います。

「有名人DJが出演枠を奪う」という意見について

一方で、

「知名度や資金を持った人が出演することで、DJ一本で活動してきた人の出演機会が減る」

という考え方もあります。

この懸念は理解できます。

イベント側にとって集客力が重要である以上、DJとしての実力以外の理由で出演者が選ばれることもあります。

ただ僕は、既存の出演枠を奪い合うことだけで考える必要はないと思っています。

インフルエンサーがDJをすることで、今までクラブに来なかった人が来るかもしれない。

経営者が音楽にハマることで、新しいイベントや場所が生まれるかもしれない。

新しい人、お金、アイデアがシーンに入ることで、既存のパイを奪うだけではなく、パイそのものを大きくできる可能性があります。

だから僕は、インフルエンサーDJや経営者DJを否定するどころか、もっと増えてほしいと思っています。

音楽が好きなら、DJをやればいい。

そして、すでに他の人にはない武器を持っているなら、それも使えばいい。

ただし、音楽だけはショートカットしない。

影響力や資金を持った人が、本気で音楽に向き合ったら強い。

僕が言いたいのは、それだけです。

まとめ

  • 音楽が好きなら、肩書きに関係なくDJをやってみてほしい
  • 有名であることと、いいDJであることは別
  • すでに持っている武器に音楽への理解とDJの実力が加われば、その人にしかできないDJになれる