前に、BPMは曲の速さを表す数字だと学びました。
ここからは、その知識を実際のミックスに使います。
A曲とB曲の速さが違うと、そのまま2曲を重ねても、時間とともに拍がずれていきます。
そこでまず、
次に入れる曲のBPMを、いま流れている曲のBPMへ合わせます。
今回は、
A曲:128 BPM
B曲:130 BPM
から始めます。
今流れている曲を基準にする
A曲がいまお客さんに聞こえているとします。
A曲は128 BPMです。
次に入れたいB曲は130 BPM。
この場合は、
B曲をA曲に合わせます。
つまり、
B曲:130 BPM → 128 BPM
にします。
基本的には、いま流れている曲の速さを急に変えるのではなく、次に入れる曲を準備して合わせます。
そのまま重ねるとどうなるか
まず、B曲を130 BPMのままA曲と一緒に流してみましょう。
*音が出ます。音量に注意してください。
?
- 再生ボタン(緑の丸の三角):押した曲が鳴り始めます。鳴っている間は一時停止の形に変わり、もう一度押すとその場で止まります。
- CUE:止まっているときに押すと、いまの位置を覚えます。覚えた場所は波形の上に緑の旗で出ます。鳴っているときに押すと、覚えた場所へ戻って止まります。実際のDJソフト(rekordbox)と同じ考え方です。
- 波形:中央の線がいまの再生位置で、曲のほうが右から左へ流れます。押した場所へ移り、横へ引くと細かく動かせます。1拍ぴったりへ吸い付かないので、ずれを自分で詰められます。移っただけではCUEは変わりません。
- いまどこにいるか:中央の橙の線がいまの位置です。小節番号は波形の下に流れるので、線の下の数字がいまの小節になります。数字を出す欄は別に持ちません。
- 拍のずれ:2曲の赤い線がそろっているかを見てください。赤い線が半拍以上ずれると波形の下に「ビートがズレてる!」と出ます。ずれている間だけ出ます。何拍ずれているかは出しません——赤い線を見れば分かるからです。
- 線の色:赤が小節の頭、白がその間の拍、オレンジがいまの再生位置、ライムが保存したCUEです。2曲の赤い線が上下でそろうと、小節の頭が合っています。
- CUE:置いた場所にライムの縦線と「CUE」が出ます。音源の位置に付いて流れるので、8小節の画面から外れると見えなくなります。端に寄せて出しません——そこにあるように見えてしまうからです。
- 表示範囲:8小節ぶんで固定です。AとBは同じ時間の幅で描いているので、テンポが違えば拍線の間隔も違って見えます。ずれはそのまま画面に出ます。
- テンポ:0.5 BPM刻みで曲の速さが変わります。下へ引くと速く、上へ押すと遅くなります——CDJのテンポスライダーと同じ向きです。中央が曲そのものの速さ(128 BPM)です。再生する速さそのものを変えるので、速くすると音程も上がります。キーロックの無いCDJやレコードと同じ挙動です。BPMを揃えるだけでは、拍のタイミングまで自動では揃いません。
- ヘッドホンでの先聴き:実際の機材では、客席へ出していない曲をヘッドホンだけで先に確かめられます。この画面にはありません。出ている音を聞いて合わせてください。
- EQ(HIGH / MID / LOW):その帯域の量が変わります。0まで絞るとその帯域は聞こえなくなります——実機のEQと同じで「切る」と言ったら消えます。2曲の低音が重なると濁るので、片方のLOWを下げて比べてみてください。
- フェーダー:その曲の音量です。0 にすると聞こえなくなります。
- この2曲でできる練習:Aのドラム中心(1〜8小節)にBのイントロ(1〜8小節)を重ねると、Bの9小節目でボーカルが始まります。そこはAを下げ切るところで、Aが終わるところではありません——下げなければAは残りの24小節を鳴らし続け、Bのボーカルと重なったままになります。波形の帯に出る「Bを再生」がAの頭で、Bの9小節目に出る「Aを切る」が切りどころです。Bの頭から32拍=8小節ぶんです。これは練習しやすい一例で、唯一の正解ではありません。どこで重ねても構いませんし、目印どおりに操作しなくても止められません。
- 曲の長さ:ここで鳴っているのは、練習のために切り出した編集版です。Aは32小節、Bは16小節です。実際の曲がすべてこの構成というわけではありません。終わりまで来ると止まります。
最初は近い位置から始まっていても、少し待つと2曲の「ドン」が離れていきます。
B曲の方が速いため、
B曲が少しずつA曲より先へ進んでいく
からです。
2 BPMしか違わなくても、重ねている時間が長くなるほどズレは大きくなります。
B曲のTEMPOを動かす
では、B曲の速さを変えます。
DJシミュレーターのB曲にあるTEMPOを動かしてください。
130 BPMから少しずつ下げて、
128 BPM
に合わせます。
操作B曲 130 BPM → 128 BPM
これで、
A曲:128 BPM
B曲:128 BPM
になりました。
2曲が進む速さが同じになっています。
合わせる前と後を聴き比べる
違いを確認してみましょう。
BPMが違う
A:128 BPM
B:130 BPM
→ 時間がたつほど2曲の拍が離れていく
BPMが同じ
A:128 BPM
B:128 BPM
→ 速さの違いによるズレは広がらない
*音が出ます。音量に注意してください。
同じ2曲を、B曲の速さだけ変えて鳴らします。A曲はどちらも128 BPMです。
ここで覚えてほしいのは、
BPMを合わせるのは、2曲が同じ速さで進むようにするため
ということです。
BPMを合わせても、まだ終わりではない
ここが重要です。
A曲もB曲も128 BPMになれば、
進む速さ
は同じになります。
でも、それだけでは2曲がきれいに重なるとは限りません。
たとえば、
A:1・2・3・4
B: 1・2・3・4
のように、B曲のスタート位置が少しずれていれば、
BPMは同じでも「ドン」の位置は重なりません。
つまり、2曲を合わせる作業には、
① 速さを合わせる
② 拍の位置を合わせる
という2つがあります。
このページでやっているのは、
① 速さを合わせる
ところまでです。
拍の位置を合わせる方法は、次の「手動ビートマッチ」で扱います。
TEMPOを大きく動かすとどうなるか
前に学んだ通り、曲の再生速度を変えると、本来は音程も変わります。
少しの変更なら気にならないこともありますが、大きく変更すると、
- 曲が速すぎる、遅すぎるように感じる
- 音程が大きく変わる
- 音の質感が変わる
ことがあります。
そのため、
どんなBPM差でも無理に合わせればいい
というわけではありません。
たとえば、
128 BPMの曲と180 BPMの曲を、そのまま同じBPMまで動かす必要はありません。
大きく速さが違う曲をつなぐ方法は他にもあります。
ただし、今はそこまで考えなくて大丈夫です。
まずは、近いBPMの2曲を合わせられるようになりましょう。
自分で合わせてみる
最後に、もう一度やってみます。
最初は、
A曲:128 BPM
B曲:130 BPM
です。
今回は自分でB曲のTEMPOを動かして、
128 BPM
へ合わせてください。
*音が出ます。音量に注意してください。
?
- 再生ボタン(緑の丸の三角):押した曲が鳴り始めます。鳴っている間は一時停止の形に変わり、もう一度押すとその場で止まります。
- CUE:止まっているときに押すと、いまの位置を覚えます。覚えた場所は波形の上に緑の旗で出ます。鳴っているときに押すと、覚えた場所へ戻って止まります。実際のDJソフト(rekordbox)と同じ考え方です。
- 波形:中央の線がいまの再生位置で、曲のほうが右から左へ流れます。押した場所へ移り、横へ引くと細かく動かせます。1拍ぴったりへ吸い付かないので、ずれを自分で詰められます。移っただけではCUEは変わりません。
- いまどこにいるか:中央の橙の線がいまの位置です。小節番号は波形の下に流れるので、線の下の数字がいまの小節になります。数字を出す欄は別に持ちません。
- 拍のずれ:2曲の赤い線がそろっているかを見てください。赤い線が半拍以上ずれると波形の下に「ビートがズレてる!」と出ます。ずれている間だけ出ます。何拍ずれているかは出しません——赤い線を見れば分かるからです。
- 線の色:赤が小節の頭、白がその間の拍、オレンジがいまの再生位置、ライムが保存したCUEです。2曲の赤い線が上下でそろうと、小節の頭が合っています。
- CUE:置いた場所にライムの縦線と「CUE」が出ます。音源の位置に付いて流れるので、8小節の画面から外れると見えなくなります。端に寄せて出しません——そこにあるように見えてしまうからです。
- 表示範囲:8小節ぶんで固定です。AとBは同じ時間の幅で描いているので、テンポが違えば拍線の間隔も違って見えます。ずれはそのまま画面に出ます。
- テンポ:0.5 BPM刻みで曲の速さが変わります。下へ引くと速く、上へ押すと遅くなります——CDJのテンポスライダーと同じ向きです。中央が曲そのものの速さ(128 BPM)です。再生する速さそのものを変えるので、速くすると音程も上がります。キーロックの無いCDJやレコードと同じ挙動です。BPMを揃えるだけでは、拍のタイミングまで自動では揃いません。
- ヘッドホンでの先聴き:実際の機材では、客席へ出していない曲をヘッドホンだけで先に確かめられます。この画面にはありません。出ている音を聞いて合わせてください。
- EQ(HIGH / MID / LOW):その帯域の量が変わります。0まで絞るとその帯域は聞こえなくなります——実機のEQと同じで「切る」と言ったら消えます。2曲の低音が重なると濁るので、片方のLOWを下げて比べてみてください。
- フェーダー:その曲の音量です。0 にすると聞こえなくなります。
- この2曲でできる練習:Aのドラム中心(1〜8小節)にBのイントロ(1〜8小節)を重ねると、Bの9小節目でボーカルが始まります。そこはAを下げ切るところで、Aが終わるところではありません——下げなければAは残りの24小節を鳴らし続け、Bのボーカルと重なったままになります。波形の帯に出る「Bを再生」がAの頭で、Bの9小節目に出る「Aを切る」が切りどころです。Bの頭から32拍=8小節ぶんです。これは練習しやすい一例で、唯一の正解ではありません。どこで重ねても構いませんし、目印どおりに操作しなくても止められません。
- 曲の長さ:ここで鳴っているのは、練習のために切り出した編集版です。Aは32小節、Bは16小節です。実際の曲がすべてこの構成というわけではありません。終わりまで来ると止まります。
できたら2曲を再生して、
BPMが違うときより、ズレが広がらなくなった
ことを確認してみてください。
このページでは、拍の位置まで完璧に合わせる必要はありません。
目的は、
次の曲のTEMPOを動かして、2曲の進む速さを同じにすること
です。
まとめ
- BPMが違う2曲は、時間とともに拍の位置が離れていく
- 基本は、次に入れる曲のTEMPOを動かして、いま流れている曲のBPMへ合わせる
- BPMを合わせるのは「速さ」を合わせる作業で、拍の「位置」を合わせる作業は別