どこで曲をつなぐか

2曲の構成を見比べ、つなぐ位置による違いを考えます。

ここまでで、

を学びました。

ここからは、それらを使って実際に2曲をつなぐ方法を考えていきます。

最初のテーマは、

「次の曲を、どこから入れるのか」

です。

今回は、2曲の速さはすでに揃っているものとして進めます。

BPMの違う曲を合わせる方法は、次のページで扱います。

曲は、どこからでも入れていいわけではない

A曲を流している途中で、B曲を適当なタイミングから再生しても、2曲の拍を合わせること自体はできます。

ただし、拍が合っていても、

A曲が盛り上がるタイミングと、
B曲が盛り上がるタイミングがバラバラなら、

曲の展開は噛み合いません。

そこでDJは、

A曲とB曲の構成を見ながら、どこで2曲を重ねるか

を考えます。

「つなぐ場所」は1か所ではない

「どこで曲をつなぐか」と聞くと、1つの場所を決めるように聞こえるかもしれません。

実際には、少なくとも2つの場所があります。

B曲を入れ始める場所

と、

A曲を抜いて、B曲へ移り終わる場所

です。

その間は、

A曲とB曲が同時に鳴っている時間

になります。

つまり、

Aだけ
→ Bを入れる
→ A + B
→ Aを抜く
→ Bだけ

という流れです。

*音が出ます。音量に注意してください。

いま見ているところ:A曲とB曲の波形

128.0 BPM
テンポ
90%
0%
128.0 BPM
テンポ
  • 再生ボタン(緑の丸の三角):押した曲が鳴り始めます。鳴っている間は一時停止の形に変わり、もう一度押すとその場で止まります。
  • CUE止まっているときに押すと、いまの位置を覚えます。覚えた場所は波形の上に緑の旗で出ます。鳴っているときに押すと、覚えた場所へ戻って止まります。実際のDJソフト(rekordbox)と同じ考え方です。
  • 波形:中央の線がいまの再生位置で、曲のほうが右から左へ流れます。押した場所へ移り、横へ引くと細かく動かせます。1拍ぴったりへ吸い付かないので、ずれを自分で詰められます。移っただけではCUEは変わりません。
  • いまどこにいるか中央の橙の線がいまの位置です。小節番号は波形の下に流れるので、線の下の数字がいまの小節になります。数字を出す欄は別に持ちません。
  • 拍のずれ:2曲の赤い線がそろっているかを見てください。赤い線が半拍以上ずれると波形の下に「ビートがズレてる!」と出ます。ずれている間だけ出ます。何拍ずれているかは出しません——赤い線を見れば分かるからです。
  • 線の色が小節の頭、がその間の拍、オレンジがいまの再生位置、ライムが保存したCUEです。2曲の赤い線が上下でそろうと、小節の頭が合っています。
  • CUE:置いた場所にライムの縦線と「CUE」が出ます。音源の位置に付いて流れるので、8小節の画面から外れると見えなくなります。端に寄せて出しません——そこにあるように見えてしまうからです。
  • 表示範囲8小節ぶんで固定です。AとBは同じ時間の幅で描いているので、テンポが違えば拍線の間隔も違って見えます。ずれはそのまま画面に出ます。
  • テンポ:0.5 BPM刻みで曲の速さが変わります。下へ引くと速く、上へ押すと遅くなります——CDJのテンポスライダーと同じ向きです。中央が曲そのものの速さ(128 BPM)です。再生する速さそのものを変えるので、速くすると音程も上がります。キーロックの無いCDJやレコードと同じ挙動です。BPMを揃えるだけでは、拍のタイミングまで自動では揃いません。
  • ヘッドホンでの先聴き:実際の機材では、客席へ出していない曲をヘッドホンだけで先に確かめられます。この画面にはありません。出ている音を聞いて合わせてください。
  • EQ(HIGH / MID / LOW):その帯域の量が変わります。0まで絞るとその帯域は聞こえなくなります——実機のEQと同じで「切る」と言ったら消えます。2曲の低音が重なると濁るので、片方のLOWを下げて比べてみてください。
  • フェーダー:その曲の音量です。0 にすると聞こえなくなります。
  • この2曲でできる練習:Aのドラム中心(1〜8小節)にBのイントロ(1〜8小節)を重ねると、Bの9小節目ボーカルが始まります。そこはAを下げ切るところで、Aが終わるところではありません——下げなければAは残りの24小節を鳴らし続け、Bのボーカルと重なったままになります。波形の帯に出るBを再生がAの頭で、Bの9小節目に出るAを切るが切りどころです。Bの頭から32拍=8小節ぶんです。これは練習しやすい一例で、唯一の正解ではありません。どこで重ねても構いませんし、目印どおりに操作しなくても止められません。
  • 曲の長さ:ここで鳴っているのは、練習のために切り出した編集版です。Aは32小節、Bは16小節です。実際の曲がすべてこの構成というわけではありません。終わりまで来ると止まります。

使用音源

  • AKulakovkaPop HousePixabayPixabay Content License切り替えの8小節のあとも45秒続く32小節が届きました。届いた地図によれば、元は118 BPM で、128 BPM へ変換したとのことです。
  • BAlex_MorganHouse Music ClassicPixabayPixabay Content Licenseキックのイントロ8小節のあと、9小節目からボーカルが入る16小節が届きました。テンポは変えていません。

まず、B曲をどこから始めるか

次の曲を入れるときは、まずB曲側の構成を見ます。

たとえばB曲に、

最初の8小節は音が少なく、そのあと大きく盛り上がる

という構成があるとします。

この最初の8小節をA曲に重ねれば、

B曲が本格的に盛り上がる前に、2曲を混ぜる時間を作れます。

このような音の少ない最初の部分を、前に学んだようにイントロ(Intro)と呼ぶことがあります。

次に、A曲のどこへ重ねるか

今度はA曲を見ます。

たとえばA曲が、

あと8小節で盛り上がっている部分を終え、そのあと音が減る

構成だったとします。

そこで、その8小節前からB曲を入れます。

すると、

A曲:あと8小節で音が減る
B曲:あと8小節で音が増える

という状態になります。

8小節たったとき、

Aは引いていく。
Bは前に出てくる。

という変化を同時に起こせます。

実際の教材曲で見てみる

「はじめて2曲をつなぐ」で使った2曲を見てみましょう。

A曲は、最初の8小節は上物が薄く、9小節目から盛り上がります。

B曲は、最初の8小節がキックだけで、9小節目からボーカルが入ります。

そこで、

A曲の上物が薄い8小節

に、

B曲の最初

を重ねます。

デッキAPop Houseドラム中心8小節ドロップ16小節ドロップのあと8小節デッキBHouse Music Classicイントロ8小節ボーカル8小節
教材で使う2曲の構成です。棒の高さは1小節ごとの中音域のエネルギーを実際の音源から測った値で、主役の音が入ると高くなります。A曲は32小節、B曲は16小節で、長さも、どこで厚くなるかも曲ごとに違います。

イメージすると、

A:上物が薄い ───────→ 盛り上がる
B:最初の8小節 ─────────→ 盛り上がる

です。

9小節目で、2曲とも前に出てきます。

だから、そこまでにA曲を下げ切ります。

下げなければ、2曲が重なったまま鳴り続けます。

2曲を同じ位置から8小節進めると、

Aが引く瞬間と、Bが前に出る瞬間

が重なります。

「はじめて2曲をつなぐ」で自然に聞こえた理由の一つがこれです。

フレーズの頭から考える

では、B曲をいつ再生すればいいのでしょうか。

最初の候補になるのが、前に学んだフレーズの頭です。

A曲のフレーズの頭と、B曲のフレーズの頭を合わせると、

2曲の大きな展開が同じタイミングで進みやすくなります。

たとえば8小節のまとまりなら、

A:1 2 3 4 5 6 7 8
B:1 2 3 4 5 6 7 8

と進みます。

8小節後には、両方が同時に次のまとまりへ入ります。

4小節ずらすとどうなるか

逆に、B曲を4小節遅れて始めると、

A:1 2 3 4 5 6 7 8 → 次へ
B:    1 2 3 4 5 6 7 8 → 次へ

のようになります。

A曲が次の展開へ変わったとき、B曲はまだフレーズの途中です。

拍そのものは合っていても、

曲の大きな区切りがずれている

状態です。

*音が出ます。音量に注意してください。

同じ2曲を、B曲を出す場所だけ変えて鳴らします。A曲はどちらも同じところから始まります。

実際に聴き比べると、なぜフレーズを意識するのかが分かりやすくなります。

「イントロとアウトロをつなぐ」だけではない

初心者向けの説明では、

前の曲のアウトロに、次の曲のイントロを重ねる

と説明されることがあります。

これは分かりやすい方法の一つです。

ただし、曲をつなげる場所はそれだけではありません。

今回の教材でも、

A曲がまだ盛り上がっているところに、B曲の最初を重ねています。

大切なのは、

区間の名前だけで決めることではなく、2曲を重ねたときに、それぞれの展開がどう動くかを見ること

です。

どこでA曲を抜くか

B曲を入れる場所を決めたら、次はA曲をどこまで残すかを考えます。

今回の例では、

B曲を入れてから8小節たったところで、

A曲の音が減り、B曲が盛り上がります。

ここが、A曲からB曲へ主役を渡す分かりやすい場所になります。

ただし、

必ず8小節後にAを消す

というルールではありません。

曲によっては、

  • もっと長く2曲を重ねる
  • 早めにAを抜く
  • 一気に切り替える

こともあります。

まずは、

Bを入れる場所と、Aを抜く場所の間に「2曲を重ねる区間」がある

と理解してください。

DJシミュレーターで位置だけ確認する

ここではまだ、きれいにミックスする必要はありません。

DJシミュレーターで、

  1. A曲の構成を見る
  2. A曲が変化する場所を探す
  3. その8小節前を見る
  4. B曲の最初をそこに合わせる
  5. 8小節後に2曲がどう変化するかを見る

ところまで確認してみてください。

*音が出ます。音量に注意してください。

128.0 BPM
テンポ
90%
0%
128.0 BPM
テンポ
  • 再生ボタン(緑の丸の三角):押した曲が鳴り始めます。鳴っている間は一時停止の形に変わり、もう一度押すとその場で止まります。
  • CUE止まっているときに押すと、いまの位置を覚えます。覚えた場所は波形の上に緑の旗で出ます。鳴っているときに押すと、覚えた場所へ戻って止まります。実際のDJソフト(rekordbox)と同じ考え方です。
  • 波形:中央の線がいまの再生位置で、曲のほうが右から左へ流れます。押した場所へ移り、横へ引くと細かく動かせます。1拍ぴったりへ吸い付かないので、ずれを自分で詰められます。移っただけではCUEは変わりません。
  • いまどこにいるか中央の橙の線がいまの位置です。小節番号は波形の下に流れるので、線の下の数字がいまの小節になります。数字を出す欄は別に持ちません。
  • 拍のずれ:2曲の赤い線がそろっているかを見てください。赤い線が半拍以上ずれると波形の下に「ビートがズレてる!」と出ます。ずれている間だけ出ます。何拍ずれているかは出しません——赤い線を見れば分かるからです。
  • 線の色が小節の頭、がその間の拍、オレンジがいまの再生位置、ライムが保存したCUEです。2曲の赤い線が上下でそろうと、小節の頭が合っています。
  • CUE:置いた場所にライムの縦線と「CUE」が出ます。音源の位置に付いて流れるので、8小節の画面から外れると見えなくなります。端に寄せて出しません——そこにあるように見えてしまうからです。
  • 表示範囲8小節ぶんで固定です。AとBは同じ時間の幅で描いているので、テンポが違えば拍線の間隔も違って見えます。ずれはそのまま画面に出ます。
  • テンポ:0.5 BPM刻みで曲の速さが変わります。下へ引くと速く、上へ押すと遅くなります——CDJのテンポスライダーと同じ向きです。中央が曲そのものの速さ(128 BPM)です。再生する速さそのものを変えるので、速くすると音程も上がります。キーロックの無いCDJやレコードと同じ挙動です。BPMを揃えるだけでは、拍のタイミングまで自動では揃いません。
  • ヘッドホンでの先聴き:実際の機材では、客席へ出していない曲をヘッドホンだけで先に確かめられます。この画面にはありません。出ている音を聞いて合わせてください。
  • EQ(HIGH / MID / LOW):その帯域の量が変わります。0まで絞るとその帯域は聞こえなくなります——実機のEQと同じで「切る」と言ったら消えます。2曲の低音が重なると濁るので、片方のLOWを下げて比べてみてください。
  • フェーダー:その曲の音量です。0 にすると聞こえなくなります。
  • この2曲でできる練習:Aのドラム中心(1〜8小節)にBのイントロ(1〜8小節)を重ねると、Bの9小節目ボーカルが始まります。そこはAを下げ切るところで、Aが終わるところではありません——下げなければAは残りの24小節を鳴らし続け、Bのボーカルと重なったままになります。波形の帯に出るBを再生がAの頭で、Bの9小節目に出るAを切るが切りどころです。Bの頭から32拍=8小節ぶんです。これは練習しやすい一例で、唯一の正解ではありません。どこで重ねても構いませんし、目印どおりに操作しなくても止められません。
  • 曲の長さ:ここで鳴っているのは、練習のために切り出した編集版です。Aは32小節、Bは16小節です。実際の曲がすべてこの構成というわけではありません。終わりまで来ると止まります。

使用音源

  • AKulakovkaPop HousePixabayPixabay Content License切り替えの8小節のあとも45秒続く32小節が届きました。届いた地図によれば、元は118 BPM で、128 BPM へ変換したとのことです。
  • BAlex_MorganHouse Music ClassicPixabayPixabay Content Licenseキックのイントロ8小節のあと、9小節目からボーカルが入る16小節が届きました。テンポは変えていません。

今回は、どの操作をするかではなく、どこで2曲を重ねるかを見る練習です。

正解は1か所とは限らない

同じ2曲でも、つなぐ場所は1つとは限りません。

どこからB曲を入れるかによって、

  • 長く2曲を重ねる
  • 短く切り替える
  • 盛り上がりを維持する
  • 一度落ち着かせる

など、聞こえ方が変わります。

ここから先は、目的によって選択肢が増えていきます。

最初は、

フレーズの頭を合わせる

そして、

Aが変化する場所とBが変化する場所を合わせる

ところから始めれば十分です。

まとめ

  • 「つなぐ場所」には、Bを入れる場所とAを抜く場所がある
  • その間はA曲とB曲が同時に鳴る
  • フレーズの頭を合わせると、2曲の展開も揃いやすい
  • まずはAが引く場所とBが前に出る場所を合わせて考える

出典

  1. Open Music Theory — Form(教育資料)