ここまでで、
を学びました。
ここからは、それらを使って実際に2曲をつなぐ方法を考えていきます。
最初のテーマは、
「次の曲を、どこから入れるのか」
です。
今回は、2曲の速さはすでに揃っているものとして進めます。
BPMの違う曲を合わせる方法は、次のページで扱います。
曲は、どこからでも入れていいわけではない
A曲を流している途中で、B曲を適当なタイミングから再生しても、2曲の拍を合わせること自体はできます。
ただし、拍が合っていても、
A曲が盛り上がるタイミングと、
B曲が盛り上がるタイミングがバラバラなら、
曲の展開は噛み合いません。
そこでDJは、
A曲とB曲の構成を見ながら、どこで2曲を重ねるか
を考えます。
「つなぐ場所」は1か所ではない
「どこで曲をつなぐか」と聞くと、1つの場所を決めるように聞こえるかもしれません。
実際には、少なくとも2つの場所があります。
B曲を入れ始める場所
と、
A曲を抜いて、B曲へ移り終わる場所
です。
その間は、
A曲とB曲が同時に鳴っている時間
になります。
つまり、
Aだけ
→ Bを入れる
→ A + B
→ Aを抜く
→ Bだけ
という流れです。
*音が出ます。音量に注意してください。
いま見ているところ:A曲とB曲の波形
?
- 再生ボタン(緑の丸の三角):押した曲が鳴り始めます。鳴っている間は一時停止の形に変わり、もう一度押すとその場で止まります。
- CUE:止まっているときに押すと、いまの位置を覚えます。覚えた場所は波形の上に緑の旗で出ます。鳴っているときに押すと、覚えた場所へ戻って止まります。実際のDJソフト(rekordbox)と同じ考え方です。
- 波形:中央の線がいまの再生位置で、曲のほうが右から左へ流れます。押した場所へ移り、横へ引くと細かく動かせます。1拍ぴったりへ吸い付かないので、ずれを自分で詰められます。移っただけではCUEは変わりません。
- いまどこにいるか:中央の橙の線がいまの位置です。小節番号は波形の下に流れるので、線の下の数字がいまの小節になります。数字を出す欄は別に持ちません。
- 拍のずれ:2曲の赤い線がそろっているかを見てください。赤い線が半拍以上ずれると波形の下に「ビートがズレてる!」と出ます。ずれている間だけ出ます。何拍ずれているかは出しません——赤い線を見れば分かるからです。
- 線の色:赤が小節の頭、白がその間の拍、オレンジがいまの再生位置、ライムが保存したCUEです。2曲の赤い線が上下でそろうと、小節の頭が合っています。
- CUE:置いた場所にライムの縦線と「CUE」が出ます。音源の位置に付いて流れるので、8小節の画面から外れると見えなくなります。端に寄せて出しません——そこにあるように見えてしまうからです。
- 表示範囲:8小節ぶんで固定です。AとBは同じ時間の幅で描いているので、テンポが違えば拍線の間隔も違って見えます。ずれはそのまま画面に出ます。
- テンポ:0.5 BPM刻みで曲の速さが変わります。下へ引くと速く、上へ押すと遅くなります——CDJのテンポスライダーと同じ向きです。中央が曲そのものの速さ(128 BPM)です。再生する速さそのものを変えるので、速くすると音程も上がります。キーロックの無いCDJやレコードと同じ挙動です。BPMを揃えるだけでは、拍のタイミングまで自動では揃いません。
- ヘッドホンでの先聴き:実際の機材では、客席へ出していない曲をヘッドホンだけで先に確かめられます。この画面にはありません。出ている音を聞いて合わせてください。
- EQ(HIGH / MID / LOW):その帯域の量が変わります。0まで絞るとその帯域は聞こえなくなります——実機のEQと同じで「切る」と言ったら消えます。2曲の低音が重なると濁るので、片方のLOWを下げて比べてみてください。
- フェーダー:その曲の音量です。0 にすると聞こえなくなります。
- この2曲でできる練習:Aのドラム中心(1〜8小節)にBのイントロ(1〜8小節)を重ねると、Bの9小節目でボーカルが始まります。そこはAを下げ切るところで、Aが終わるところではありません——下げなければAは残りの24小節を鳴らし続け、Bのボーカルと重なったままになります。波形の帯に出る「Bを再生」がAの頭で、Bの9小節目に出る「Aを切る」が切りどころです。Bの頭から32拍=8小節ぶんです。これは練習しやすい一例で、唯一の正解ではありません。どこで重ねても構いませんし、目印どおりに操作しなくても止められません。
- 曲の長さ:ここで鳴っているのは、練習のために切り出した編集版です。Aは32小節、Bは16小節です。実際の曲がすべてこの構成というわけではありません。終わりまで来ると止まります。
まず、B曲をどこから始めるか
次の曲を入れるときは、まずB曲側の構成を見ます。
たとえばB曲に、
最初の8小節は音が少なく、そのあと大きく盛り上がる
という構成があるとします。
この最初の8小節をA曲に重ねれば、
B曲が本格的に盛り上がる前に、2曲を混ぜる時間を作れます。
このような音の少ない最初の部分を、前に学んだようにイントロ(Intro)と呼ぶことがあります。
次に、A曲のどこへ重ねるか
今度はA曲を見ます。
たとえばA曲が、
あと8小節で盛り上がっている部分を終え、そのあと音が減る
構成だったとします。
そこで、その8小節前からB曲を入れます。
すると、
A曲:あと8小節で音が減る
B曲:あと8小節で音が増える
という状態になります。
8小節たったとき、
Aは引いていく。
Bは前に出てくる。
という変化を同時に起こせます。
実際の教材曲で見てみる
「はじめて2曲をつなぐ」で使った2曲を見てみましょう。
A曲は、最初の8小節は上物が薄く、9小節目から盛り上がります。
B曲は、最初の8小節がキックだけで、9小節目からボーカルが入ります。
そこで、
A曲の上物が薄い8小節
に、
B曲の最初
を重ねます。
教材で使う2曲の構成です。棒の高さは1小節ごとの中音域のエネルギーを実際の音源から測った値で、主役の音が入ると高くなります。A曲は32小節、B曲は16小節で、長さも、どこで厚くなるかも曲ごとに違います。イメージすると、
A:上物が薄い ───────→ 盛り上がる
B:最初の8小節 ─────────→ 盛り上がる
です。
9小節目で、2曲とも前に出てきます。
だから、そこまでにA曲を下げ切ります。
下げなければ、2曲が重なったまま鳴り続けます。
2曲を同じ位置から8小節進めると、
Aが引く瞬間と、Bが前に出る瞬間
が重なります。
「はじめて2曲をつなぐ」で自然に聞こえた理由の一つがこれです。
フレーズの頭から考える
では、B曲をいつ再生すればいいのでしょうか。
最初の候補になるのが、前に学んだフレーズの頭です。
A曲のフレーズの頭と、B曲のフレーズの頭を合わせると、
2曲の大きな展開が同じタイミングで進みやすくなります。
たとえば8小節のまとまりなら、
A:1 2 3 4 5 6 7 8
B:1 2 3 4 5 6 7 8
と進みます。
8小節後には、両方が同時に次のまとまりへ入ります。
4小節ずらすとどうなるか
逆に、B曲を4小節遅れて始めると、
A:1 2 3 4 5 6 7 8 → 次へ
B: 1 2 3 4 5 6 7 8 → 次へ
のようになります。
A曲が次の展開へ変わったとき、B曲はまだフレーズの途中です。
拍そのものは合っていても、
曲の大きな区切りがずれている
状態です。
*音が出ます。音量に注意してください。
同じ2曲を、B曲を出す場所だけ変えて鳴らします。A曲はどちらも同じところから始まります。
実際に聴き比べると、なぜフレーズを意識するのかが分かりやすくなります。
「イントロとアウトロをつなぐ」だけではない
初心者向けの説明では、
前の曲のアウトロに、次の曲のイントロを重ねる
と説明されることがあります。
これは分かりやすい方法の一つです。
ただし、曲をつなげる場所はそれだけではありません。
今回の教材でも、
A曲がまだ盛り上がっているところに、B曲の最初を重ねています。
大切なのは、
区間の名前だけで決めることではなく、2曲を重ねたときに、それぞれの展開がどう動くかを見ること
です。
どこでA曲を抜くか
B曲を入れる場所を決めたら、次はA曲をどこまで残すかを考えます。
今回の例では、
B曲を入れてから8小節たったところで、
A曲の音が減り、B曲が盛り上がります。
ここが、A曲からB曲へ主役を渡す分かりやすい場所になります。
ただし、
必ず8小節後にAを消す
というルールではありません。
曲によっては、
- もっと長く2曲を重ねる
- 早めにAを抜く
- 一気に切り替える
こともあります。
まずは、
Bを入れる場所と、Aを抜く場所の間に「2曲を重ねる区間」がある
と理解してください。
DJシミュレーターで位置だけ確認する
ここではまだ、きれいにミックスする必要はありません。
DJシミュレーターで、
- A曲の構成を見る
- A曲が変化する場所を探す
- その8小節前を見る
- B曲の最初をそこに合わせる
- 8小節後に2曲がどう変化するかを見る
ところまで確認してみてください。
*音が出ます。音量に注意してください。
?
- 再生ボタン(緑の丸の三角):押した曲が鳴り始めます。鳴っている間は一時停止の形に変わり、もう一度押すとその場で止まります。
- CUE:止まっているときに押すと、いまの位置を覚えます。覚えた場所は波形の上に緑の旗で出ます。鳴っているときに押すと、覚えた場所へ戻って止まります。実際のDJソフト(rekordbox)と同じ考え方です。
- 波形:中央の線がいまの再生位置で、曲のほうが右から左へ流れます。押した場所へ移り、横へ引くと細かく動かせます。1拍ぴったりへ吸い付かないので、ずれを自分で詰められます。移っただけではCUEは変わりません。
- いまどこにいるか:中央の橙の線がいまの位置です。小節番号は波形の下に流れるので、線の下の数字がいまの小節になります。数字を出す欄は別に持ちません。
- 拍のずれ:2曲の赤い線がそろっているかを見てください。赤い線が半拍以上ずれると波形の下に「ビートがズレてる!」と出ます。ずれている間だけ出ます。何拍ずれているかは出しません——赤い線を見れば分かるからです。
- 線の色:赤が小節の頭、白がその間の拍、オレンジがいまの再生位置、ライムが保存したCUEです。2曲の赤い線が上下でそろうと、小節の頭が合っています。
- CUE:置いた場所にライムの縦線と「CUE」が出ます。音源の位置に付いて流れるので、8小節の画面から外れると見えなくなります。端に寄せて出しません——そこにあるように見えてしまうからです。
- 表示範囲:8小節ぶんで固定です。AとBは同じ時間の幅で描いているので、テンポが違えば拍線の間隔も違って見えます。ずれはそのまま画面に出ます。
- テンポ:0.5 BPM刻みで曲の速さが変わります。下へ引くと速く、上へ押すと遅くなります——CDJのテンポスライダーと同じ向きです。中央が曲そのものの速さ(128 BPM)です。再生する速さそのものを変えるので、速くすると音程も上がります。キーロックの無いCDJやレコードと同じ挙動です。BPMを揃えるだけでは、拍のタイミングまで自動では揃いません。
- ヘッドホンでの先聴き:実際の機材では、客席へ出していない曲をヘッドホンだけで先に確かめられます。この画面にはありません。出ている音を聞いて合わせてください。
- EQ(HIGH / MID / LOW):その帯域の量が変わります。0まで絞るとその帯域は聞こえなくなります——実機のEQと同じで「切る」と言ったら消えます。2曲の低音が重なると濁るので、片方のLOWを下げて比べてみてください。
- フェーダー:その曲の音量です。0 にすると聞こえなくなります。
- この2曲でできる練習:Aのドラム中心(1〜8小節)にBのイントロ(1〜8小節)を重ねると、Bの9小節目でボーカルが始まります。そこはAを下げ切るところで、Aが終わるところではありません——下げなければAは残りの24小節を鳴らし続け、Bのボーカルと重なったままになります。波形の帯に出る「Bを再生」がAの頭で、Bの9小節目に出る「Aを切る」が切りどころです。Bの頭から32拍=8小節ぶんです。これは練習しやすい一例で、唯一の正解ではありません。どこで重ねても構いませんし、目印どおりに操作しなくても止められません。
- 曲の長さ:ここで鳴っているのは、練習のために切り出した編集版です。Aは32小節、Bは16小節です。実際の曲がすべてこの構成というわけではありません。終わりまで来ると止まります。
今回は、どの操作をするかではなく、どこで2曲を重ねるかを見る練習です。
正解は1か所とは限らない
同じ2曲でも、つなぐ場所は1つとは限りません。
どこからB曲を入れるかによって、
- 長く2曲を重ねる
- 短く切り替える
- 盛り上がりを維持する
- 一度落ち着かせる
など、聞こえ方が変わります。
ここから先は、目的によって選択肢が増えていきます。
最初は、
フレーズの頭を合わせる
そして、
Aが変化する場所とBが変化する場所を合わせる
ところから始めれば十分です。
まとめ
- 「つなぐ場所」には、Bを入れる場所とAを抜く場所がある
- その間はA曲とB曲が同時に鳴る
- フレーズの頭を合わせると、2曲の展開も揃いやすい
- まずはAが引く場所とBが前に出る場所を合わせて考える